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大型インコ・オウムをお迎えいただく前に ― 鳥ボルナウイルス(ABV)検査について ―
2026.1.10 新着情報 NEW !

大型インコ・オウムをお迎えいただく前に ― 鳥ボルナウイルス(ABV)検査について ―

①鳥ボルナウイルス感染症(ABV)検査について

近年、鳥ボルナウイルス感染症(Avian BornavirusABVは、鳥医療の分野においても重要視される感染症の一つとなっています。本ウイルスはインコ・オウム類に感染し、腺胃拡張症(PDD)の一因と考えられており、消化器症状や神経症状を中心とした、進行性の経過をたどることがあります。

 

主な症状としては、

食欲不振、消化不良、嘔吐、体重減少、慢性的な衰弱

ふらつき、脚力低下、止まり木にうまく止まれない

一部では毛引きや自咬、羽毛障害

などが報告されています。

 

現在のところ、確立された特効薬やワクチンは存在せず、治療は主に対症療法となります。発症後は長期的な管理が必要となるケースも多く、予後が厳しいことも少なくありません。

SNS上での飼養者様の体験談や、実際にご相談を受ける中で、当店としても本疾患の重みを強く感じております。

 

②ボルナウイルス検査について

国内において、生体からのPCR法によるボルナウイルス検査が実施可能となったのは、2015年後半以降です。
現在、検査は主に糞便を検体として行われ、5日以上、推奨7日間連続で採取・冷蔵保存された検体を用いることで、検出精度が大きく向上します。なお、血液検体によるPCR検査は、臨床的に発症している個体を除き、検出が困難な場合が多いことが知られています。


また、ボルナウイルスは排泄が間欠的であるため、「検出されず」という結果は、感染を完全に否定するものではありません一方で、適切な検体条件での検査結果は、飼養管理や隔離判断を行う上で、極めて重要な指標となります。国内で本検査に対応している民間検査機関は限られており、信頼性を確保するため、原則として獣医師経由での依頼となります。そのため、検査費用は他のウイルス検査と比べて割高となる傾向にあります。

 

③当店の取り組みについて

これまでの国内外の知見および検査データから、大型インコ・オウム類では、鳥ボルナウイルスの陽性率が比較的高い傾向が認められています。
当店では本疾患を、現在優先的に向き合うべき重要な感染症の一つと考え、

PBFD

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クラミジア感染症

に加え、大型インコ・オウムについては、2022年4月より全羽ボルナウイルスPCR検査を実施した上で販売しております。検査の実施には、国内ブリーダー様・輸入業者様のご理解とご協力が不可欠であり、その体制が整う鳥種・羽数には限りがございます。そのため、当店でご案内できる個体数は多くありません。

 

また、検査費用や管理体制の維持に伴い、販売価格へ一部反映せざるを得ない場合がございますが、一生を共にする大切なパートナーとして安心してお迎えいただくための取り組みとして、何卒ご理解いただけましたら幸いです。

 

④当店での検査経験について

当店では、国内で鳥ボルナウイルスのPCR検査が行われるようになって以降、鳥の健康管理の一環として検査を行ってきました。

 

その過程において、外見上は特に症状の見られない個体であっても、検査により陽性が確認された例を経験しています。また、腺胃拡張症(PDD)を発症した個体を経験したこともあり、症状の有無だけで感染の有無を判断することの難しさを感じています。さらに、ご来店された飼養者様からもボルナウイルスに関するご相談を受けることが少なくありません。

 

これらの経験から、適切な検体条件で検査を行うことが、感染状況を把握するうえで重要であると考えています。当店では、検査結果や健康状態に応じて飼育環境の管理や衛生面に配慮しながら個体の管理を行っています。また、検査機関や獣医師から提供される情報や検査データなども参考にしながら、鳥の健康管理や感染症への理解を深めるよう努めています。

 

こうした現場での経験や情報を踏まえると、鳥ボルナウイルス感染症は決して特別に珍しい疾患ではなく、特に大型インコ・オウムを飼養するうえで知っておくべき感染症の一つであると考えています。

 

⑤最後に

以上の点を踏まえると、鳥ボルナウイルス検査は万能ではありません。
しかし、適切な検体で検査を行い、その結果を正しく理解し、必要に応じて管理・隔離・早期対応につなげることは、現時点で私たちが鳥たちのためにできる、最も重要な取り組みの一つであると考えています。

 

当店では今後も、検査機関・獣医師と連携しながら、誠実な情報提供と、責任ある販売を続けてまいります。

 

2026年3月14日 加筆

 

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